
このロゴマークは「生命の星(The Star of Life)」といわれるものです。 横浜市救急救命士会でも、平成4年の設立当時から、シンボルマークとして使用しております。
中央の杖と蛇は医学(Medicine)を象徴するもので,杖(Staff)は旅行者の使う杖,蛇(Serpent)は知恵(Wisdom)を表し,ギリシャ神話のアスクレピウス(Aesculapius)という医学神(God of medicine)に由来しています。ここでは,医学と蛇・杖の関係についてギリシャ神話に基づいて簡単にお話ししましょう。
ギリシャ神話に登場する、アスクレピウス(Aesculapius)は、オリンポスの神として有名なアポロンの息子の一人です。 アスクレピウスは、アポロンと美女コロニスとの間の子です。しかし,美女コロニスが他の青年と結婚したことを知ったアポロンは、たいそう腹を立て、美女コロニスを迫害しようとしました。しかし、美女コロニスのお腹の中のアスクレピウスは、無事、犬と蛇によって取り上げられ、アスクレピウスはその後、森の奥の深くで山羊に育てられました。
そのアスクレピウスは、森の中で木の実や草を食べて育ったため、その薬効を知ることとなります。アスクレピウスは、いつも犬を連れ、蛇を巻き付けた杖を持ち歩いていました。その後、診断学・薬学・外科学などを修得したアスクレピウスは、ついに死者までをも蘇らせるほどの腕となり、アスクレピウスの名声は頂点に達したのでした。
しかし,彼があまりにも死者を蘇らせるため、死者の国の王であるハーデスは、神々の王であるゼウスに訴えでて雷によって殺されることとなります。のちに父であるアポロンはゼウスに懇願し、アスクレピウスは天の星として上ることになります。
南の空に輝く「蛇使い座」は,蛇を従えたアスクレピウスです。
アスクレピウスはいつも杖を持っており、その杖には常に蛇が巻き付いていたことから、1匹の蛇が巻き付いた杖のことをアスクレピウスの杖と呼ぶようになり、いつしか医学のシンボルとなりました。
ギリシャ神話は、紀元前6世紀頃に古代ギリシャ人によって生み出されたもので、その後のヨーロッパ文化に強い影響を及ぼしたのです。
また、星のマーク(6本の突起)には、次のような意味があると言われています。
・Detection :覚知
・Reporting :通報
・Response :出場
・On Scene Care :現場手当
・Care In Transit :搬送中手当
・Transfer to Definitive Care :医療機関への引き継ぎ
蛇と杖のシンボルはWHO(世界保健機構)の切手にもデザインされ、現在、世界の多くの国で救急のシンボルにこのロゴを採用し、救急医療を表すものとして国際的な認識が深まっています。
アメリカ合衆国では、アメリカ医学会(American medical association)が1910年に救急のロゴとして使用することを指定し、救急車や制服などに広く用いられております。
最近では,我が国でも多くの消防本部が救急隊員のワッペンなどとして採用しはじめました。
国際的認識を高めるためにも、今後このマークが日本全国で見られるようになることを期待したいと思います。 なお、このロゴは,かつては米国にて商標登録されていましたが、救急医療に関して使用ものである場合は、使用上の問題はないと聞いています。(最近、ある民間企業が類似マークを日本国内にて意匠登録しましたが、営利を目的としない救急隊等のマークとして使用することに関して、同社として異論を唱えるつもりは無い旨の意思表示を受けています)

このページ最上部にある画像は、FDNY(ニューヨーク市消防局)の救急車の"The Star of Life"を許可を受けて撮影し、Photoshopを用いて整形加工したもので、当会が平成4年から会のシンボルマークとして使用してきたものです。同じようなマークを良く見かけますが、良く見ると、蛇の表情が違っていたり、杖への蛇の巻き付き方が違っていたりなど、比べてみると結構おもしろいものです。
(写真右:New York City, Manhattan にて吉田茂男撮影)





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